はじめに
「連合」という名前、ニュースや春闘の時期に一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
正式名称は日本労働組合総連合会(Rengo)。およそ700万人が加盟する日本最大の労働組合の全国組織です。
その使命は「働く人の生活を守る」こと。
しかし、近年は「本当に労働者の味方なのか?」という声も少なくありません。
今回は、連合の目的・活動内容・そして政治との関係について整理します。
1. 連合の成り立ちと理念
連合は1989年、複数の労働組合全国組織が統合して誕生しました。
背景には、バブル期の景気拡大や労使関係の変化がありました。
設立理念は次の3つ。
- すべての働く人の雇用と生活の安定
- 働く者が主役となる公正な社会の実現
- 政治・経済・社会への積極的な提言
つまり、単なる「賃上げ団体」ではなく、社会全体のバランスを考える存在としてスタートしたのです。
2. 主な活動内容 ― 労働者の権利をどう守っているか?
2-1. 賃上げ交渉(春闘)
毎年行われる「春闘」は連合の象徴的な活動です。
各業界・企業の労働組合が一斉に賃上げ要求を行い、経営側と交渉します。
2024年春闘では平均5.2%の賃上げを達成。
これは30年ぶりの高水準でした。
しかし、「中小企業まで波及していない」「非正規には届いていない」との批判も根強いです。
2-2. 働き方改革への提言
連合は政府の「働き方改革実現会議」にも参加。
- 長時間労働の是正
- 有給休暇の取得促進
- テレワークや副業のルール整備
といった改善策を打ち出しました。
労働基準法の改正など、政策面でも一定の成果を上げています。
2-3. 非正規雇用・若者支援
近年は「同一労働・同一賃金」や「派遣社員の社会保障拡充」などを推進。
ただし、現実には大企業の正社員を中心に動いており、
「非正規や若手の声が届きにくい」との指摘もあります。
2-4. 最低賃金の引き上げ
政府に対して最低賃金の引き上げを求め続けてきたのも連合です。
2025年度には全国平均で時給1,000円に達する見込みとなっています。
ただし、東京と地方では200円以上の差があり、地域間格差の課題は残ります。
3. 政治との関係 ― “労働者の声”は届いているのか?
連合は長年、立憲民主党や国民民主党を中心とした政党の支持母体です。
選挙では組織的に支援し、政策協定を結ぶこともあります。
しかし、この政治関係が問題視されることもあります。
賛成派の見方:
- 政党を通じて労働政策を法制度に反映できる。
- 与野党への政策提案ができる。
批判派の見方:
- 政治との関係が強すぎ、労働現場の声が軽視されている。
- 政党間の対立に巻き込まれて、組合員の意見が分断される。
実際、2021年の総選挙では立憲と国民の関係が悪化し、
連合の内部でも支援方針を巡って混乱が起きました。
4. 連合が直面する課題
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 非正規雇用の増加 | 全労働者の4割を占める非正規層をどう代表するか |
| 若年層の組合離れ | 組合加入率は16%台まで低下 |
| 政治的中立性の揺らぎ | 与党との距離をどう取るか |
| 地域・中小企業格差 | 賃上げ効果が届かない |

コメント